Minecraft(BE,統合版)で初めてコマンドを使う方のために、知っておきたい言葉を「用語集」としてまとめました。例えば「エンティティID」や「データ値」「相対座標」など、これからコマンドを学んでいく上で覚えておきたい重要な言葉たちです。
※コマンドの書き方一覧の記事はまた別で作ります。この記事は元々その記事の一部になる予定だったものを独立させたものです
この記事は統合版の「Minecraft」向けに書いたものです
この記事で解説するコマンドは、スマホ・タブレット・Windows10・XboxOne・NintendoSwitchで配信中の新しい「Minecraft」で使えるものです。統合版「Minecraft」とPC/Mac向けの「Java Edition(旧PC版)」は全く別のものですから、以下で解説するコマンドは、Java版とコマンドの構文や仕様が異なる部分がありますのでご注意ください。
「座標」「x座標」「y座標」「z座標」
プレイヤーやエンティティ(後述)やブロックの位置を表す数値。ワールドにおける”位置”を特定するために必要な数字。
マイクラの世界は3D空間なので、x,y,zの3つの座標軸がある。東に進むとxの値が増え、高い場所に行くとyの値が増え、南に進むとzの値が増える。
ワールドのどこかにx=0,z=0の地点がある。そこより西へ行くとx座標の値はマイナスになる。北に行くとz座標の値がマイナスになる。数学で出てくる関数のグラフと同じ構造だが、南北を表すのは「z」座標で、地図で見た際に上がマイナスという点に注意。
今自分がいる場所の座標を調べるには、ワールドの設定で「座標を表示」をONにしよう。
「相対座標」
座標は「100 64 -200」のように実際の座標を絶対的に指定することも出来るが、コマンドを実行した位置を基準に相対的な座標を書くことも出来る。これを一般的に「相対座標」と呼び、表記には~(チルダ記号)を用いる。
- 例: 実行したその場にクリーパーを召喚するコマンド
- /summon creeper ~ ~ ~
「その場に●●する」時は「~ ~ ~」と書けばいい。~(チルダ)の後に付けた数字は「プレイヤーからどれだけ離れた位置に召喚するか」を表すので、~ ~ ~ = ~0 ~0 ~0 = プレイヤーから東に0,上に0,南に0離れた位置 = プレイヤーの位置そのまま になるのだ。
例えば/summon creeper ~ ~2 ~というコマンドを実行すると、プレイヤーから2ブロック分上にクリーパーが召喚される。~ ~2 ~ = 「東に0,上に2,南に0」ということだ。
/summon creeper ~2 ~ ~3を実行すると、東に2、南に3離れた位置にクリーパーが召喚される。とにかく「~東 ~上 ~南」の順番で書くことを覚えておこう。
相対座標にはマイナスの値も使える。例えば/summon creeper ~-3 ~ ~-2を実行すると、「西に3、北に2離れた位置」に召喚される。東は西に、南は北に反転するのだ。
ちなみにy方向にマイナスの値を書いた場合はプレイヤーの下に召喚される。
summonコマンド以外でも相対座標は使える。例えば /fill ~ ~ ~ ~10 ~10 ~10 stone 1 を実行すれば、実行した位置を基準に、東に10、上に10、南に10の位置まで花崗岩の直方体ができる。
「エンティティ」「Mob」
(各アイコンは公式Wikiから拝借)
エンティティとは位置と角度、体力を持った物体全般のこと。プレイヤーは召喚不能だがエンティティの一種。他にも投げた雪玉やロープ、ボート、トロッコ等、要するにブロックじゃないものは大体エンティティ。
そしてエンティティの中に「Mob」が含まれている。 Mobとは、プレイヤーに友好的/中立的/敵対的などのAIを持っている生き物たちのこと。
「エンティティID」
summonコマンドでエンティティを召喚したり、killコマンド等のセレクター(後述)でエンティティを選択したりする時に使う文字列。要するに英語で書かれたエンティティの名前。
- 例: summonコマンドの書き方
- /summon エンティティID x座標 y座標 y座標
PEでは後述するNBTタグが使えないなどの原因により、一部のエンティティIDはPC版と異なるが、PEのエンティティIDは大体PC版v1.11~のIDと近い(大文字を使わない)。それでも単語の区切りなどの書き方がところどころ1.11と違うので注意しよう。
PEで使えるエンティティID一覧 | |
---|---|
エンティティの種類 | ID |
スケルトンの矢 |
arrow |
コウモリ |
bat |
ブレイズ |
blaze |
ボート |
boat |
洞窟グモ |
cavespider |
ニワトリ |
chicken |
ウシ |
cow |
クリーパー |
creeper |
ロバ |
donkey |
エンダーマン |
enderman |
ガスト |
ghast |
ガーディアン |
guardian |
エルダーガーディアン |
guardian.elder |
ウマ |
horse |
ハスク |
husk |
アイアンゴーレム |
irongolem |
首ひも(ロープ)の縛った部分 |
leash_knot |
雷(稲妻) |
lightningbolt |
マグマキューブ |
magmacube |
トロッコ |
minecart |
チェスト付きトロッコ |
minecartchest |
ホッパー付きトロッコ |
minecarthopper |
TNT付きトロッコ |
minecarttnt |
ラバ |
mule |
ムーシュルーム(キノコ牛) |
mushroomcow |
ヤマネコ(オセロット) |
ocelot |
ブタ |
pig |
ゾンビピッグマン |
pig_zombie |
投げた経験値ポーション(エンチャントのビン) |
potion.experience |
ウサギ |
rabbit |
ヒツジ |
sheep |
シルバーフィッシュ |
silverfish |
スケルトン |
skeleton |
ストレイ |
skeleton.stray |
ウィザースケルトン |
skeleton.wither |
スケルトン馬 |
skeletonhorse |
スライム |
slime |
雪玉 |
snowball |
スノーゴーレム |
snowgolem |
クモ |
spider |
イカ |
squid |
投げたタマゴ |
thrownegg |
投げたスプラッシュポーション |
thrownpotion |
着火したTNT |
tnt |
村人 |
villager |
ウィッチ(魔女) |
witch |
ウィザー |
wither.boss |
オオカミ |
wolf |
経験値オーブ |
xporb |
ゾンビ |
zombie |
村人ゾンビ td> | zombie_villager |
ゾンビ馬 |
zombiehorse |
「セレクター」
詳しい解説はこちらを参照してほしい。
「引数」
セレクターの後に付けることで、ターゲットを絞り込むのが「引数」だ。引数は@eなどのセレクターに四角カッコをくっつけ、[引数名=文字列,引数名=数値]などのようにコンマで区切って書く。以下、使える引数を一覧にまとめた。
PEで使える引数まとめ | |
---|---|
引数名 | 絞り込む基準 |
c=数値 | 対象となるエンティティの数を指定する。プラスの数値を書いた場合、近くのエンティティから選ばれ、マイナスの数値を書いた場合、遠くのエンティティから選ばれる。 |
r=数値 | 実行した場所からの半径をブロック数で書く。 指定した半径の内側が対象になる。 |
rm=数値 | こちらは指定した半径の外側が対象になる。 |
m=数値 | ゲームモードを番号で指定する。0はサバイバル、1はクリエイティブ。 |
type=文字列 | エンティティIDを書いてエンティティの種類を指定する。 |
PE0.16では、ターゲットの数を指定するc引数、範囲を絞るx,y,z,xd,yd,zd引数、レベルで絞り込むl,lm引数、名前で絞り込むname引数、スコアで絞るscore_スコア名,score_スコア名_min引数、タグで絞るtag引数、チームで絞るteam引数、向きで絞るrx,rxm,ry,rym引数がまだ実装されていないのでご注意。実装状況はまだまだ全然なのだ…
「アイテムID」「ブロックID」
giveコマンドでアイテムを入手したり、setblockコマンドでブロックを設置したりする時にアイテム/ブロックの種類を指定する文字列がID。アイテムを指定するIDは「アイテムID」と呼ばれ、ブロックを指定するIDは「ブロックID」と呼ばれる。例えば「ダイヤモンドの剣」のIDはdiamond_sword。PC版ではminecraft:を付けるのが正確だが、PEではminecraft:を付けるとエラーになるので注意!
ブロックを指定する場合は、giveコマンド中に書くと「アイテムID」だし、setblockコマンド中に書くと「ブロックID」である。アイテムの「アイテムID」「ブロックID」が異なることは絶対にない。あくまで分かりやすくするために「ブロックID」や「アイテムID」と呼ばれるだけである。
PEではかつての数字形式のIDは一切使えず、全て文字列を書く必要があるので注意。
例: 1→stone、100→red_mushroom_block、276→diamond_sword
- IDを簡単に検索できるサイト
http://minecraft-ids.grahamedgecombe.com/
上記サイトを使えば、アイテム/ブロック名から簡単にIDが調べられる。ただしPEではminecraft:を抜いた形で書く必要があるので注意。
「データ値」
IDに加えて指定することで、アイテム/ブロックの種類をより細かく指定する番号。
例えば「オークの木材」のIDはplanksなので、/give @p planks 64 を実行すれば64個のオークの木材が手に入る。さらに、/give @p planks 64 1 を実行すればマツ(トウヒ)の木材が手に入る。
様々なアイテムにおける「データ値」の例 | ||
---|---|---|
ID | アイテム/ブロックの種類 | データ値 |
planks | オークの木材 |
0 |
マツの木材 (トウヒの木材) |
1 | |
シラカバの木材 |
2 | |
ジャングルの木材 |
3 | |
アカシアの木材 |
4 | |
ダークオークの木材 |
5 | |
dye | イカスミ |
0 |
赤の染料 |
1 | |
緑の染料 |
2 | |
茶色の染料 |
3 | |
ラピスラズリ |
4 | |
紫の染料 |
5 | |
シアンの染料 |
6 | |
薄灰色の染料 |
7 | |
灰色の染料 |
8 | |
ピンクの染料 |
9 | |
黄緑の染料 |
10 | |
黄色の染料 |
11 | |
空色の染料 |
12 | |
赤紫の染料 |
13 | |
オレンジの染料 |
14 | |
骨粉 |
15 | |
skull | スケルトンの頭蓋骨 |
0 |
ウィザースケルトンの頭蓋骨 |
1 | |
ゾンビの頭 |
2 | |
頭 |
3 | |
クリーパーの頭 |
4 |
コマンドによって、データ値を書く場所が違う場合があるので注意。
- giveコマンド: /give ターゲット ID 個数 データ値
- setblockコマンド: /setblock 座標 ID データ値
先ほど紹介したID検索サイトでは、データ値も調べられる。左に書いてあるかつての数字形式のIDの、コロンより右の数字がデータ値なのだ。
「ダメージ値」
先ほど解説した「データ値」は、「ダメージ値」と呼ばれることもある。実際、PC版ではデータ値は{Damage:●s}という書き方で保存される仕様である。なぜ「ダメージ値」なのか? 答えは道具アイテムにある。
剣などの道具アイテムに「データ値」を設定すると、その分耐久値が減るのだ。例えば /give @p wooden_sword 1 50 を実行すれば、耐久値が残り10しかない木の剣が手に入る。つまりデータ値が道具にダメージを与えているのだ。
このことからデータ値の事を「ダメージ値」と呼ぶこともあるが、当ブログでは表記を「データ値」に統一して解説する。
「NBTタグ」「データタグ」
最後に解説するのは、「NBTタグ」(データタグとも呼ばれる)についてだ。NBTタグはアイテムやエンティティをカスタマイズするデータで、例えば{display:{Name:”名前”,Lore:[“説明文”]}}をアイテムに設定すればアイテム名と説明文が自由に決められる。他にもエンティティ用ならSilentやNoGravityなど面白いNBTタグが色々あるのだが… 残念ながらPE0.16ではNBTタグは一切使えない。
当ブログのコマンド解説記事は(PE向けを除くと)NBTタグ抜きでは成り立たないものばかりなので、これまで解説してきたテクニックのほとんどはPEで使えない事をご理解いただきたい。NBTタグは本当に種類が膨大で奥が深いので、PEで実装されるとなればかなりの時間を要すだろう、と筆者は勝手に予想している。
参考にしたページ様
Commands – Official Minecraft Wiki
http://minecraft.gamepedia.com/Commands
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- みんな大好き!マインクラフト るんるんプログラミング コマンドブロック編
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