
バージョン1.9では、配布ワールド制作などに便利な「Loot table」という新システムが追加されました。「ルートテーブル」と呼ばれるファイルをワールドに同梱して、ダンジョンの宝箱の中身やMobのドロップアイテムを自分好みに置き換えられるんです。
全3回に分けて、Loot table(ドロップ表)の使い方からJSONの書き方まで詳細に解説します。Part2およびPart3も合わせてご覧ください。
不思議なsetblockコマンドとsummonコマンドを使ってみよう
皆さん、突然ですが以下のコマンドを実行してみてください。
- 謎のsetblockコマンド (もちろん1.9以上用)
- /setblock ~ ~1 ~ minecraft:chest 0 replace {LootTable:”minecraft:entities/witch”}

するとチェストが設置されたはずです。中身を見てみるとあれ、グロウストーンや火薬? (中身が無い場合は何度か実行して下さい) これってどこかで見覚えのあるアイテムの組み合わせですよね。そう、魔女のドロップアイテムです。一体何故こんな所に勝手に出現したんでしょう。
もう1つコマンドを実行してみましょう。次はsummonコマンドです。
- 謎のsummonコマンド (もちろん1.9以上用)
- /summon Creeper ~ ~1 ~ {DeathLootTable:”minecraft:chests/nether_bridge”}

上記コマンドで召喚されるクリーパーを倒すと、こんな豪華なアイテムがドロップされます。あれ、これもどこかで見覚えが… そう、ネザー砦(ネザー要塞)のチェストに入ってるアイテム達です。どうしてクリーパーからそんな宝物が…?
1.9で実装された「Loot table(ドロップ表)」とは。仕組みを解説
不思議なsetblockコマンドとsummonコマンド。あの2つは、バージョン1.9で追加された新システム「Loot table」を活用したものなんです。一体Loot tableとはどんな機能なんでしょうか。
バージョン1.9から、各種ダンジョンの宝箱の中身、Mobのドロップアイテム、釣りで出てくるアイテムの種類や確率などのデータは、「Loot table」とよばれるファイルに格納されるようになりました。この「Loot table(ドロップ表)」は、チェストやチェスト付きトロッコなどを設置したり、Mobを召喚したりする際にNBTタグで指定することで呼び出せます。
さらに各種ルートテーブルはフォルダーで分類されていて、「minecraft」の中に「chests」「entities」「gameplay」の分類があり、その中にルートテーブルのデータが記述されたjsonファイルが入っているんです。先程の”不思議なコマンド”では、「minecraft:entities/witch」と書くことでウィッチの、「minecraft:chests/nether_bridge」と書くことでネザー要塞のチェストのデータを呼び出していたわけです。
バニラで用意されているルートテーブル(ドロップ表)一覧
バニラで用意されているLoot table一覧 | |
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ドロップ表の種類 (クリックでWikiのアイテム一覧に飛びます) |
呼び出す際の書き方 |
廃坑のチェスト | minecraft:chests/abandoned_mineshaft |
砂漠の寺院(ピラミッド)のチェスト | minecraft:chests/desert_pyramid |
エンドシティのチェスト | minecraft:chests/end_city_treasure |
イグルーの地下のチェスト | minecraft:chests/igloo_chest |
ジャングルの寺院のチェスト | minecraft:chests/jungle_temple |
ネザー要塞のチェスト | minecraft:chests/nether_bridge |
スポーン部屋(ダンジョン)のチェスト | minecraft:chests/simple_dungeon |
ワールド新規作成時の ボーナスチェスト |
minecraft:chests/spawn_bonus_chest |
要塞の通路のチェスト | minecraft:chests/stronghold_corridor |
要塞の倉庫のチェスト | minecraft:chests/stronghold_crossing |
要塞の図書館のチェスト | minecraft:chests/stronghold_library |
村の鍛冶屋のチェスト | minecraft:chests/village_blacksmith |
羊 (羊毛以外のドロップアイテム) | minecraft:entities/sheep |
黒の羊 (羊毛以外のアイテムも含む) | minecraft:entities/sheep/black |
青の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/blue |
茶色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/brown |
シアン色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/cyan |
灰色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/gray |
緑色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/green |
水色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/light_blue |
ライム色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/lime |
マゼンタ色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/magenta |
オレンジ色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/orange |
ピンク色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/pink |
紫色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/purple |
赤色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/red |
銀色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/silver |
白色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/white |
黄色の羊 (〃) | minecraft:entities/sheep/yellow |
コウモリ | minecraft:entities/bat |
ブレイズ | minecraft:entities/blaze |
洞窟グモ | minecraft:entities/cave_spider |
ニワトリ | minecraft:entities/chicken |
クリーパー | minecraft:entities/creeper |
エルダーガーディアン | minecraft:entities/elder_guardian |
エンダーマン | minecraft:entities/enderman |
エンダーマイト | minecraft:entities/endermite |
ガスト | minecraft:entities/ghast |
ジャイアント(巨大ゾンビ) | minecraft:entities/giant |
ガーディアン | minecraft:entities/guardian |
ウマ | minecraft:entities/horse |
アイアンゴーレム | minecraft:entities/iron_golem |
マグマキューブ | minecraft:entities/magma_cube |
ムーシュルーム(キノコ牛) | minecraft:entities/mushroom_cow |
ヤマネコ(オセロット) | minecraft:entities/ocelot |
ブタ | minecraft:entities/pig |
ウサギ | minecraft:entities/rabbit |
シュルカー | minecraft:entities/shulker |
シルバーフィッシュ | minecraft:entities/silverfish |
スケルトン | minecraft:entities/skeleton |
スケルトン馬 | minecraft:entities/skeleton_horse |
スライム | minecraft:entities/slime |
スノーゴーレム | minecraft:entities/snowman |
クモ | minecraft:entities/spider |
イカ | minecraft:entities/squid |
ウィッチ(魔女) | minecraft:entities/witch |
オオカミ | minecraft:entities/wolf |
ゾンビ | minecraft:entities/zombie |
ゾンビ馬 | minecraft:entities/zombie_horse |
ゾンビピッグマン | minecraft:entities/zombie_pigman |
釣れるアイテム全体 | minecraft:gameplay/fishing |
釣れる魚 | minecraft:gameplay/fishing/fish |
釣れるゴミ | minecraft:gameplay/fishing/junk |
釣れるお宝 | minecraft:gameplay/fishing/treasure |
空っぽ | minecraft:empty |
チェストなどの中身、MobのドロップアイテムとしてLoot tableを呼び出すコマンド
チェスト、ホッパー、トロッコなどにLoot tableを設定するコマンド

- 新しく設置する場合
- チェスト/トラップチェスト/ホッパーの場合:
/setblock ~ ~1 ~ ブロックID 0 replace {LootTable:”minecraft:フォルダ/ファイル名”}
▲「ブロックID」にはminecraft:chest か minecraft:trapped_chest か minecraft:hopper、さらに1.9.1以降はminecraft:dispenser か minecraft:dropperが入りますチェスト付きトロッコ/ホッパー付きトロッコの場合:
/summon エンティティID ~ ~ ~ {LootTable:”minecraft:フォルダ名/ファイル名”}
▲「エンティティID」には MinecartChest か MinecartHopper が入ります
- 既に設置してあるブロックやトロッコに設定する場合
- チェスト/トラップチェスト/ホッパーの場合:
/blockdata ~ ~1 ~ {LootTable:”minecraft:フォルダ/ファイル名”}
▲「ブロックID」にはminecraft:chest か minecraft:trapped_chest か minecraft:hopper、さらに1.9.1以降はminecraft:dispenser か minecraft:dropperが入りますチェスト付きトロッコ/ホッパー付きトロッコの場合:
/entitydata @e[type=エンティティID,c=1] {LootTable:”minecraft:フォルダ名/ファイル名”}
▲「エンティティID」には MinecartChest か MinecartHopper が入ります
上記コマンドでは「c=1」なので最寄りの1個のトロッコのみが対象になります
こちらがチェストやホッパー、トロッコ達にLoot tableを設定した状態で召喚する/後から設定するコマンドです。トロッコはチェストやホッパーと違ってエンティティなのでコマンドの書き方が違います。
- 例: 釣りで釣れるゴミが入ったホッパーを設置
- /setblock ~ ~1 ~ minecraft:hopper 0 replace {LootTable:”minecraft:gameplay/fishing/junk”}

チェスト等にルートテーブルを設定した際の注意点として、「設置/設定しただけでは中身は決定されない」点があります。/blockdata ~ ~-1 ~ {:}で調査しても中身は分かりません。初めて開いて中身を見た時や、コンパレーターを隣に設置した際に中身が決定されます。つまり、設置/設定時に「運」効果がなくても、初めて開く時に「運」を持っていれば豪華な中身になるわけです。
MobのドロップアイテムとしてLoot tableを設定するコマンド

- 新しく召喚する場合
- /summon エンティティID ~ ~1 ~ {DeathLootTable:”minecraft:フォルダ/ファイル名”}
▲「エンティティID」はこちらのページを参照して入力して下さい
- 既に召喚してあるMobに設定する場合
- /entitydata @e[type=エンティティID,c=1] {DeathLootTable:”minecraft:フォルダ名/ファイル名”}
▲「エンティティID」はこちらのページを参照して入力して下さい
上記コマンドでは「c=1」なので最寄りの1体のMobのみが対象になります
MobのドロップアイテムとしてLoot tableを設定する際は、「DeathLootTable」タグを使います。
- 例: ボーナスチェストのアイテムを落とすゾンビを召喚
- /summon Zombie ~ ~1 ~ {DeathLootTable:”minecraft:chests/spawn_bonus_chest”}
セーブデータにLoot tableを同梱して、バニラのものを置き換えたり追加したりできる

そしてこの「Loot table」は、セーブデータの中に同梱することもできるんです。ワールドのフォルダの「data」内に「loot_tables」というフォルダを作成し、そこに後述する書き方でJSONファイルを書いて設置すれば、そのワールドの各種宝箱やドロップアイテム、釣りのアイテムが思い通りに! 面白いシステムでしょ。自分でルートテーブル(ドロップ表)を作成する方法Part2で解説します。
LootTableを日本語で解説してるところが少ないので助かります
あと3ページ目の目次のところが2ページ目の目次になってますよ
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
砂糖って書いてあるけど火薬が入ってない?最初
あ、確かに火薬ですね… 修正します
一度コレしようとして挫折した。
あぁ、ありがたや。
(これ、Loottableいじって縛りプレイや、チートプレイできそう。
なんか1.9が出てないんですけど自分だけですかね…
ランチャーの「Edit Profile」で開いた設定画面の、「Enable experimental…」にチェックを入れてみてください。1.9のプレリリースが選べるようになるはずです。
プレイヤーからガーディアンのビームを視線の先に撃つことは可能ですか?
(ダメージとかの設定もできれば)
中を見るまで中身が分からないって、
シュレディンガーの猫かな?
釣りを行った時にネザー要塞のチェストで取れるものを釣れるようにしたり、
ゾンビを倒すと要塞チェストの中身がドロップしたりするようにするには、
どのようにすればいいのでしょうか?
その場合はバニラのLootTableのJSONファイルを入手して、名前を変えてからワールドデータ内に入れる必要があります。
まず.minecraftのversionsフォルダーを開き、1.9以上のバージョンのフォルダーを開いて中のjarファイル(1.9.jarなど)をコピーし、拡張子を.zipに変更します。
そしてzipを覗き見すると、「assets>minecraft>loot_tables」内にバニラのLootTableが格納されていますので、記事中の一覧表を参考にネザー要塞のチェスト、要塞チェストのJSONファイルを探してコピーします。
それからワールドデータ内にloot_tablesフォルダーを作り、中に「minecraft」というフォルダーを作って先ほどのjarファイルのような構造でファイルを配置します。
例えば釣りのアイテムのLootTableを差し替えるには「minecraft>gameplay」フォルダー
にnether_bridge.jsonをfishing.jsonにリネームして配置、ゾンビのドロップアイテムを差し替えるには「minecraft>entities」フォルダーに要塞チェストのJSONを「zombie.json」にリネームして配置します。
要するにバニラと同じ構造でフォルダーを作って、名前を偽ったJSONを置けばいいのです。
よろしければ追記おねがいします、私はいつも使っているのですが、LootTableを変更したあと、ワールドに入りなおさなくても、【F3】+【T】(リソースパック再読み込みだけど)で読み込み直せます。
情報ありがとうございます。追記します
ちがいますね
可能ですがここで質問すのはおかしいのでは?
牛のLoottableが無いんですけど…
透明イカスポーン→/executeか/tpでイカをプレイヤーんとこにTp→ガーディアンスポーン→撃たれる
weightの設定で出やすさを設定するのではなく、確実に出すようにするにはどうしたらいいですか?例えば10個の中から3個を選び、その1個1個にweightの設定がされていると3個選んだのに2個しか出てこないなんてこともあるはずです。上の例でいうなら、10個の中から3個選び、そのアイテムを100%の確率で1個ずつだけ出すようにするにはどうしたらいいでしょう?
rolls1のプールを作成→100%の確率で出したいアイテムのweightを1、set_countでcountを1にすればOK。
デフォルトだとイグルーのチェストの上位金リンゴが該当しますね。
2個以上のアイテムを設定しているとき、重複を許さずにアイテムを選ぶことは可能ですか?
ボーナスチェストのルートテーブルをこうするとか?
{
“pools”: [
{
“rolls”: 64,
“entries”: [
{
“type”: “item”,
“name”: “minecraft:diamond”,
“weight”: 100
}
]
}
]
}
Part2では、loot tableを作成する手順と各種設定項目を解説します。
と書いてあるところのリンクが切れています